TANKE - 加瀬さやか
TANKEってなんですか?〜インタビューの断片から〜
「TANKE」は「タンケ」と読みます。
漢字で表すと「探家」、スウェーデン語だと「思想/考え」を意味する言葉です。COLUMN「TANKE?」より
9月に入って
ポツポツ現れる涼しい日。
TANKE代表の加瀬さやかさんに話をきいた。
最初に書いてしまうと、
この日の話は結果として、彼女の学生時代、北欧留学、会社員時代をおおよそ、いちから語り下ろしもらうような時間になった。
話は、多岐多層に渡ったので、ここで仔細と全貌を記すことは諦めておくが、以下は特に私の印象に残ったふたつのことについて。
残りの部分は、展示を通して、あるいは彼女に直接訊ねてみてほしい。
「TANKEって?」
「TANKEは、考える家であり、探す家。それぞれが何かテーマを持って考えて、迷った時に戻ってきて探す場所で…」
「やっぱりみんな自由に。与えられた命を生き切ってほしい…」
さやかさんの話を聴きながら、
改めて「自由」という言葉について考える。
自由は、”自らによる”と書く。
自らの何によるんだろうか?
それはつまり、自らの思索や探究によるんじゃないか。
自分で考えたり、探しながら
選択肢をつくり出して行くこと。
その営みが、めいめいが求める具体的な自由を形にしてゆく。
それを支える場所(家)をTANKEと呼ぶことにした。
そういう話なのかもしれない。
さやかさんが留学先のスウェーデンの家でじっくり過ごしたみたいに。
「バランスって?」という会話から
「社会がすごくよくシステマナイズされた美しいバランスが、スウェーデンにはあって。政治も、町も、福祉もデザインが行き届いていて」
「自分の心に正直に、でも、周りとバランスを取りながら、そこにあるバランスに入っていく。」
1時間半のインタビューの間、
バランスという言葉がよく顔を覗かせた。
さやかさんが語る、「バランス」は、”調和”や”美”という言葉と連続するか重なって登場する。
何かの均衡。一致。バランス。
我々がもっと活き活きと生きることが可能になる社会のあり方の模索もまた、TANKEなのだと思う。
TANKEは個人の思索や探究を可能にする場であると同時に、
美しさ、あるいはバランスについて模索する場でもある。
そしてそれらはどこかで通じている。
●
「TANKE展 vol.01 – Beauty for All –」
あたたかい家のはじまり。
バランスに向かう一歩
深く根を伸ばしていた植物が、発芽する
あるいは、長く助走をとってきた物語が離陸するような瞬間なのかもしれない。
展示を通して、それぞれのTANKEが生じてくることを期待して
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